僕が痩せたらあの子はどんな顔をするだろう

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砂糖に良いことはほとんどない!? 映画「甘くない砂糖の話」を観た感想

今巷で糖質制限ブームが起きているが、その中でもタイムリーに公開された映画「甘くない砂糖の話」を観た感想を書いていきたい。

 

 

監督のデイモン・ガモーは現在妊娠している妻と出会うまでは、タバコと砂糖漬けの日々であった。妻の気をひくために趣味を合わせたところ、健康食に目覚め、精製された砂糖は一切取らないという徹底ぶりでの生活を送っている。

 

そこで、ある疑問が湧いてくる。

 

「砂糖は本当に身体に有害であるか?」

 

もうすぐ父親になることもあり、子どもには正しい食生活をして欲しいと、監督自らが2ヶ月に渡る人体実験を行ったのである。

 

実験の内容としては、

 

  • オーストラリア人の1日の平均砂糖摂取量である160g (スプーン40杯分)を毎日とる
  • なるべく、健康食品と謳われているものを食べる(シリアル、低脂肪ヨーグルト、シリアルバー、スムージー等)
  • ジャンクフードは禁止。ソーダ、アイス、お菓子は食べない。

 

で非常にシンプル。これを2ヶ月続けるのである。

 

世間では健康だと言われている食品を2ヶ月摂り続けた結果、、、どうなったかは自分の目で確かめて欲しい。

 

このような実験系のドキュメンタリーでは、人が太るメカニズムを簡潔にわかりやすく説明しているので、ダイエットについての勉強のためにも有用である。

特にスムージーは健康!☆(ゝω・)vキャピっと言っている方にぜひ観てもらいたい。今後もう飲む気はなくなるだろう。。。

 

映画を観て興味深かったこと

映画を観て、印象的だったものは以下の通り。

 

  • 砂糖はタバコと同じようなもの
  • 様々な利権が絡んでおり、砂糖の有害性を訴えることは難しいこと
  • カロリーの量は問題ではなく、カロリー源が重要だということ

 

まず、砂糖とタバコは同じようなものについて、砂糖を摂ると脳からドーパミンセロトニンといった幸福物質が分泌され、えも言えぬ至福感を覚える。甘いものを食べて、幸せ〜と声が出てしまうのは、科学的にも理にかなっているのである。

 

砂糖にはタバコと同様、強い依存性があり、実際に監督も実験後の数週間は甘いものを食べたいという欲望が強かったと言及している。

 

タバコははっきりとした有害性が証明されているため、至る所で禁煙活動が行われているが、砂糖については見逃されていると言ってもいいだろう。

 

次に、様々利権〜については、劇中で、砂糖を使った製品の世界での市場は年間500億ドルという巨大な規模であり、政府が砂糖の有害性を調査しようとしても、様々な利権が絡むことで正しい調査結果が出ないということである。

 

砂糖の人体に対する影響を調べる研究者がコカコーラやペプシのような超巨大企業がスポンサーとして付いているなど、なんというズブズブな世界であろうか。

 

最後のカロリーについて、今回の実験では、砂糖を1日160g摂っていたが、実験前に採っていたカロリーの量を、実験中でも変えないようにしていた(1日2300kcalをキープ)

しかし、結果は見るも無残なことに、、、。

 

やはり、カロリーは量が問題ではなくて、何を食べたかが重要である。

1日4000キロカロリー採ったとしても、炭水化物の量が非常に少なければ、それでも痩せていくはずである。

劇中で特に印象的だったのは、脂質vs砂糖、どちらが身体に有害かという議論があり、アメリカ政府が脂質が有害という結果としたため、砂糖が今、市場で幅を効かせているということだが、その有害という理由として、カロリー神話がある。

 

砂糖は1g=4kcalに比べて、脂質は1g=9kcalである。痩せるためにはカロリーを減らすべきという前提では、脂質が悪者になるのは当然であろう。

結局、ここでも利権が絡んでいるという話になる。太るのは食べすぎであって、砂糖のせいではない、カロリーさえ減らせば痩せていく、、と自社製品を守るために多くの企業がそう宣伝を行うのだ。我々はその短絡的な理論にどっぷりと洗脳されてしまっていると言っても過言ではないだろう。

 

しかし、この映画はカロリーの量は問題ではないということを証明したのである。

惜しむべきは、もう少し炭水化物についても踏み込んで欲しかった。砂糖=太るということはわかったが、炭水化物=太るということは言及していなかった。

それを断言するには、さらなる大きな利権と戦うことになるため、触れることはできなかったのだろうが、、、、。そこは残念だった。

 

砂糖は本当に有害か

この映画を観れば、砂糖は有害であると一目瞭然である。砂糖は強い依存性を持ち、集中力を欠如させ、内臓脂肪を蓄えて病気の危険性を高める。

 

山本義徳氏の「炭水化物のすべて」でも、

血液検査をした際の「HbAlc」は、ヘモグロビンに糖が結合したものをチェックするための項目で、ヘモグロビンが糖化するとHbAlcとなる。

 

糖化の問題点は、AGEs (Advanced Glycation Endproduction)であり、肌のシワを増やしたり、コラーゲンの弾力性を失わせたり、老化を引き起こすのである。

糖質が多く摂取されるほど糖化が起こるが、その中でも砂糖は特に糖化を引き起こすということである。病気だけではなく、見た目すら悪影響を与えるのである。

 

 

以上より、砂糖に良いことはほとんどないと断言していいだろう。

 

糖質制限を全面的に推奨するつもりはないが、炭水化物の中でも、砂糖だけは摂っても意味がないと結論づけたい。

 

タンパク質と良質な油を多めに、炭水化物は少なめかつ砂糖は極力摂らない、適度な運動を心がける、、この3過剰を守れば確実に痩せ、健康な生活を送ることができると学ぶことができたとても良い映画であった。

 

以上、どこか現代社会の黒い部分を書いたが、映画の内容自体は平易で、勉強感も全くないため、気軽に誰でも観られるものである。

 

ダイエットに興味があろうがなかろうが、自分の食生活について見直すきっかけとなる映画であるので、是非おすすめである。