ボディビルダー山本義徳さんの本を読んでみた(炭水化物の全て)
ボディメイキングに取り組むにつれ、ボディビルダーのすごさの片鱗に触れるようになった。ビルダーは、綿密なトレーニング、食生活、意志の強さをもって極力筋肉を残しつつ、脂肪だけを削ぎ落としていく。まさにダイエットのプロなのである。
当方が敬愛するボディビルダー、山本義徳さんが電子書籍で本を出されたということだったので、早速読んでみた。Amazon Kindleで4冊出版されている。Kindle Unlimitedを利用していれば全て読み放題で、Kindle Unlimitedは30日間無料で体験できるので、実質無料で4冊とも読むことができる。
まずは糖質ダイエットにかかわりの深い本から読んでみた。
炭水化物の全て:山本義徳 業績集1
端的に言うと、素晴らしい。山本さんのファンというお世辞抜きに、炭水化物について物凄く丁寧にまとめられている。炭水化物とは何か、インスリンの働き、糖化、食物繊維、甘味料、カーボアップと、すべてのアスリート、ダイエッター、糖尿病を患った方に読んで欲しい本であった。
基本的には炭水化物・インスリンの概要、筋肥大のために糖質をどう摂るか、が細かくまとめられている。
というか、細かすぎるレベルである。全く初見の医学用語がうじゃうじゃと出現する。インスリンは脂肪を合成する”リポタンパクリターゼ”という酵素の働きを助け、脂肪を分解する”ホルモン感受性リパーゼ”という酵素の働きを邪魔してしまう。
聞いたことないよ!
リファレンスを見ると参考文献は全て英語論文だったので、膨大かつ難解な文献に目を通し、山本さんのボディメイキングに関する膨大な経験のフィルターを通して、使える知識を抽出した本といえる。
難解な単語はよく出てくるが、全体を通しての論旨は非常にわかりやすいので、敷居は高くないと感じた。インスリンの働きを高める栄養素、サプリメントについてもかなり綿密に記述があるので、糖尿病に対して有効な本でもあった。
特に今後のトレーニングにおいて実践しようと感じたのは以下の方法である。
1. ワークアウトドリンクに大量の糖質、アミノ酸(or プロテイン)を溶かして運動中に飲みきる。
2. 運動終了直後、アミノ酸を飲む
3. 運動終了後、数十分たったら、糖質+プロテインを摂取
4. さらに1時間後、高糖質、高たんぱくの食事をする
注意点としては、運動前にインスリンを急激に上げる食べ物は摂らないこと。運動中はアドレナリンやグルカゴンなど血糖値を高めるホルモンが出ているため低血糖にならないが、運動前にインスリンをたくさん出してしまうと低血糖を引き起こし、運動の妨げになる。インスリンを出すのは運動中…が大切。
以上のように、今後利用価値の高い情報がまとめられており、非常に有益な本と感じた。特にカーボアップの項目は今までの理論を覆すような方法が載っており、必見。
最後に、この本で一番印象に残ったのは、以下の一節で、
”運動中~運動後3時間以内に、十分な量の栄養伝達物質を筋肉細胞に送り届けることがポイントです。このタイミングだと栄養が体脂肪ではなく筋肉に働くため、大量のカロリー、糖質、たんぱく質などを摂取しても体脂肪が増えることはありません”
つまり運動後、3時間以内なら何を食べても太らないということだ。ほんとぉ!?
一見、デブがよく使う都合のいい言い訳のような言葉に見えるが、ちゃんとリファレンスもついているので根拠はあるのだろう。山本さんレベルの追い込みをしていれば体脂肪にはならなそうだが・・・。
英語論文が根拠のようなので、後日読んでみることにする。